日本教育教育学会第29回大会のご案内

大会実行委員長挨拶

尾上雅信(岡山大学)

昨年同様、7月に入ってから九州地方を中心に広い範囲で記録的な豪雨災害が発生しました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

さて、第29回大会は、2019年9月21日(土)・22日(日)に岡山大学で開催することとなりました。本学はもちろん、中国地方では初の開催となります。改元後初の全国大会の機会を頂いたこと、厚く御礼申し上げます。

岡山大学は、その設立の母体と経緯により、大きくは津島キャンパスと鹿田キャンパスに分かれております。会場は、大学本部をはじめ多くの学部と教育研究施設が集まる津島キャンパスです。教育学部の本館と講義棟で開催します。

津島キャンパスには、文学部・法学部・経済学部・理学部・工学部・環境理工学部・農学部などがあります。教育学部の母体は岡山師範学校・青年師範学校であり、また文学部と理学部の母体は第六高等学校です。これらの学校を統合するため、岡山市内に広大な敷地を残していた旧陸軍の軍用地を活用し、現在の津島キャンパスが出来上がりました。そのため前身となった諸学校の遺跡・史跡は、残念ながらこのキャンパスには残っておりません。師範学校跡地には現在も附属学校園が存続し、また第六高等学校跡地は県立高等学校の敷地となっています。

今大会のテーマは、「教員養成・教師教育研究の高度化」です。大会実行委員会では「本学会の強みのひとつは教科固有の実践知と力量形成を「教師教育」というプラットホームで共有できることにある」と考え、とくにシンポジウムでは「教科指導に係る教師の実践的力量形成」という副題を掲げました。これに関連する課題をざっと並べてみても、①若手教員の急増に伴う授業の質保証、②①を支える校内OJTチームの組織化と運用、③教員養成教育のDPと教員育成指標の「採用時に求める姿」との関係、④拡充期を迎えた教職大学院における「教科の指導力向上」への対応、⑤④に係る教科教育研究者のアイデンティティ、⑥新免許法における教科教育と教科内容の融合科目とその実質化、⑦教職大学院の履修証明制度を活用した現職教員の教科指導力向上、⑧指導教諭を活用した校内研修(授業改善)の高度化、⑨学術研究の成果を踏まえた「教科」の枠組の再考等、現実的な議論を必要とする様々な課題が浮かびます。

本テーマの着地点は「より優れた教科の実践的指導力とは何か?」「その実践的指導力を培う仕組みとコンテンツはどのようにあるか?」という問いに何らかの回答を提示することです。この問いをめぐる会員相互の積極的な参画を頂ければと思います。

会場となる教育学部にはJR岡山駅からバス利用となり、路線にもよりますが、アクセスは良いところです。本学の会員をはじめ、院生・学部生、それに近隣大学の会員の皆様にも応援をお願いして、企画・運営・実施にあたりたいと思います。

9月下旬、未だ残暑も厳しそうで、また台風シーズンでもあります。心配ですが、大会実行委員会一同、心がけを良くして準備に勤しみますので、多数の会員のみなさまのご支援、そしてご参加をお待ちしております。

大会テーマ・趣旨

主題「教員養成・教師教育の高度化」

教員養成・教師教育研究の高度化には2つの視角が必要です。ひとつは既存の教員養成教育や教師教育研究の準拠枠を解き明かし,その枠組自体を問い直す視角です。いまひとつは,このようなメタ分析的関心を共有し,現に動きつつある実態に分け入って課題を詳らかにする視角です。本学会はまさにこの2つの視角を往還しつつ,より質の高い教員養成・教師教育研究を求め,その成果を世に問うてきたと言って良いでしょう。
本大会では「教員養成・教師教育研究の高度化」というテーマを設定しました。これと連動する大会校企画では「教科指導に係る教師の実践的力量形成」というトピックを掲げたシンポジウムを開催し,「高度化」の内訳に迫りたいと思います。これまで本学会の研究推進・若手交流支援企画の取組が明らかにしている通り,本学会の強みのひとつは,教科固有の実践知と力量形成を 「教師教育」というプラットホームで共有できることにあります。このトピックに関連する課題をざっと並べてみても,
①若手教員の急増に伴う授業の質保証,
②①を支える校内研修・校内OJTチームの組織化と運用,
③教員養成教育のDPと教員育成指標の「採用時に求める姿」との関係,
④拡充期を迎えた教職大学院における「教科の指導力向上」への対応,
⑤④に係る教科教育研究者のアイデンティティの揺らぎと再構築,
⑥新免許法における教科教育と教科内容の融合科目とその実質化,
⑦教職大学院の履修証明制度を活用した現職教員の教科指導力向上,
⑧指導教諭を活用した校内研修(授業改善)の高度化,
⑨学術研究の成果を踏まえた「教科」の枠組の再考等,
現実的な議論を必要とするミクロレベルからマクロレベルまでの様々な課題が浮かび,それぞれを丁寧に解きほぐしつつ,繋いでいく努力が必要となります。
「教員養成・教師教育研究の高度化」の着地点のひとつは,「より優れた教科の実践的指導力とは何か?」,「その実践的指導力を培う仕組みとコンテンツはどのようにあるか?」という問いに何らかの回答を提示することにあります。中国地方で初めて本学会研究大会を開催するこの機会に,この問いをめぐる会員相互の積極的な参画を頂ければと思います。

開催概要

名称日本教師教育学会第29回研究大会
主催
日本教師教育学会
会期
2019年9月21日(土) ~ 22日(日)
(前日の9月20日15時より、研究倫理規程公開研究会 参加自由)
会場岡山大学教育学部(岡山市北区津島中3-1-1)
後援
岡山県教育委員会,岡山市教育委員会,岡山大学(いずれも予定)

会場

岡山大学教育学部
岡山市北区津島中3-1-1

アクセスマップ

*詳細は、岡山大学教育学部Webサイトの交通アクセスをご覧下さい。
◎宿泊は、各自ご手配くださいますようお願いいたします。

日本教育教育学会第29回大会実行委員会

  • 尾上雅信(教育学) ・・・委員長
  • 佐藤 園(家政) ・・・副委員長
  • 高旗浩志(教育学) ・・・事務局長(兼・会計,渉外)
  • 加賀 勝(保健体育)
  • 高瀬 淳(教育学)
  • 桑原敏典(社会科
  • 酒向治子(保健体育)
  • 篠原陽子(家政)
  • 宮本浩治(国語)
  • 金川舞貴子(教育学)

大会日程

タイムテーブル

※ 画像をクリックするとPDFで開きます

大会までのスケジュール

2019年4月26日 大会案内の学会HP公開/発表、参加申込開始
2019年5月31日 発表申込〆切
2019年7月31日 『発表要旨集録』原稿〆切
2019年8月上旬 大会プログラム閲覧開始(大会HP上)
2019年9月13日 参加事前申込〆切
2019年9月21日 研究大会・『発表要旨集録』配布開始

託児について

本研究大会では、託児室をご用意いたしました。

本大会では会場内に託児室を用意します。ご希望の方は、大会1ヶ月前までにお申し込みください(対象:満3歳児以上)。大会HPの参加申込フォームから申請できます。事前申込のない場合、当日の受付はできませんのでご注意ください。託児を担当するのは、岡山市内の「ボナミ企画」によるイベント託児サービスです。

「ボナミ企画」のご紹介(外部ページへリンクします)

託児は無料になります。

連絡先

第29回大会実行委員会事務局
〒700-8530
岡山市北区津島中3-1-1
岡山大学教育学部
E-mail: cnf@jsste.jp
※@は半角に置き換えてください。